東京地方裁判所平成30年(わ)第1791号、第2433号、第2901号

被告人は、平成28年3月上旬頃及び同月10日、Cから判示第1の金銭の交付を受けるため、受注を水増しした資料を示して借入れを依頼したほか、Aの負債の返済先を製造業者と偽っており、同日に振り込まれた金銭は、Cに説明した製造代金という使途とは異なり、その大半がAの負債の返済に充てられ、残りも、製造代金には全く当てられなかったことから、被告人が、Cから受領した金銭を同人に約束した使途に充てるつもりはほとんどなかったことは明らかであるなどとして、被告人につき詐欺の確定的故意を認めた事例

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東京地方裁判所令和元年(わ)第1705号、第1988号、第2458号、第2759号、3449号、令和2年(わ)第223号

複数の者が共謀の上、被害者にだましの電話をかけて信用させ、巧妙な手口でキャッシュカードを窃取し、これを用いて現金自動預払機から現金を窃取したという窃盗の事案であり、被害金額は合計1200万円余りに上っている事案について、被告人を懲役3年6月に処した事例

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東京地方裁判所平成30年(わ)第3279号

被告人の自宅の捜索において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパンの付着したストロー片が発見されたところ、被告人方の捜索を行った警察官である証人Aの証言についてその信用性を疑うべき事情はなく、同証言によっても、本件ストロー片を発見された際の状況について立会人が確認したかは判然としないものの、その点を踏まえても、警察官が本件ストロー片の発見をねつ造したといったことを疑わせる事情はないとされた事例

被告人の供述における、被告人が飲酒した店舗の客に薬物使用者がいるとか、一緒に酒を飲んだ客が薬物使用者であるとする点は何ら裏付けがなく、他の客の飲み物に覚せい剤等の違法薬物を混入させる合理的理由も考え難く、また、被告人は、平成30年11月10日から12日にかけ、飲酒酩酊以外に体調変化はなかったというのであり、以上によれば、被告人が自らの意思で覚せい剤をその身体に摂取したとの推認を覆る特段の事情はうかがわれないとされた事例

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東京地方裁判所令和元年(わ)第2803号

厳しく規制され、入手が容易ではない覚せい剤が誤って体内に入ることは通常は考えにくく、差し押さえられた被告人の尿から覚せい剤反応があった事実から、被告人が故意に覚せい剤を使用したと強く推認され、捜索により覚せい剤関連物品が発見されていないとはいえ、被告人自身に覚せい剤の入手ルートがあったことは、この推認を補強しているとして、被告人に覚せい剤使用の故意を認めた事例

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東京地方裁判所平成30年(わ)第2448号、第2971号、平成31年(わ)第363号

受取人において方々のアパートにその住人ではない者を受け取りに行かせ、これを直ちに運搬役を介して別の者のところに運ぶということは、送り主は送付先住所の者に送付しているつもりであるのに、それとは異なる者が受け取り、送り主が想定している者とは別の者のところに持って行っていることを想起させる事情といえ、ひいては、送り主が偽りを告げられて錯誤に陥り、受取場所に荷物を送付したものであることを、未必的にせよ認識させる事情といえるとして、このような事情を認識している被告人は、判示の各宅配便荷物について、これらが詐欺により送付されたものである可能性を認識していたものと推認されるとされた事例

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東京地方裁判所平成31年(わ)第751号、第1040号、令和元年(わ)第1309号

Gの供述は、被告人がGに対し、Bらにスーツ等を持たせるように言ったこと、A及びBを被告人に引き合わせたこと、AがBらに対し、被告人が動いているからまずい旨のメッセージを送信したこと、被告人が他人名義の保険証を用意してBらに渡したこと等と整合しており、また、Gは、B及びCが詐欺又は窃盗を行うために東京に向かった経緯や、その後にAがBらの代わりに東京に行った経緯、それぞれの過程における被告人の関与について具体的に説明しており、全体として自然活合理的な内容というのが相当であり、さらに、Gは、被告人とかねて友人関係にあったところ、Gがあえて虚偽の事実を述べて被告人を陥れる理由は見当たらないとして、Gの供述は全体として信用できるとされた事例

Aの供述は、グループチャットのメッセージ内容と符合するほか、Gの供述内容とおおむね一致し、互いに信用性を高め合っており、また、Bが、Aに郡山駅前に呼び出された際、Gとともに現れた仲間の男が、自分も若いころはそういうことをやっていた等と言っていた旨供述する内容とも符合しているとして、Aの供述もおおむね信用できるとされた事例

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東京地方裁判所平成29年(わ)第285号

被告人は、被害者にナイフを突きつけ、同人から抵抗されると、ナイフを持った手を突き出したり、その右大腿部をナイフで突き刺すなどし、さらにその両手、両足を縛り上げ、厨房から一直線にカウンターに移動して金庫内に現金を見つけると、これを奪って逃走しているという一連の行為には、狂言強盗の合意があると信じていた者の動揺は見て取れず、売上金の着服を隠すために狂言強盗をするなら、合意をした店員を被害者役として実行しなければならないが、被告人によれば、Dからはその名前も特徴も聞かされておらず、しかも、Dから本件の実行を2回目に指示されたときに勤務していた店員は、1回目に実行を指示されたときの店員とは別人であったのだから、誰を相手に狂言強盗をすればよいのか、本当に狂言強盗の合意をしたのかにつき、強い疑念を抱くのが普通うであり、そもそも狂言強盗の指示にしては、不自然、不合理であるなどによれば、狂言強盗をするつもりであった旨の被告人の供述は信用できず、被告人には、遅くとも被害者にナイフを突きつけた時点において、強盗の故意があったものと認められた事例

被告人が、向かい合っていた被害者の上半身を目掛けてナイフを突き出して左上腕部切創を生じさせたとは認定できず、ナイフを持った手を被害者に押さえられている状態で振った際、あるいは、防御のためにナイフを持った手を突き出した際に上記切創を生じさせたとの合理的疑いが残り、被告人が、被害者を死亡させるおそれが高いと認識しながら左上腕部への攻撃を行ったとは認められず、また、被害者の右大腿部を突き刺した行為は、客観的に被害者を死亡させるおそれの高い行為であるとは認められないとして、被害者に左上腕部切創等の傷害を負わせて行為及び両手、両足を結束バンドで縛り上げた行為のいずれについても、被告人に殺意があったと認めることはできないとされた事例

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