東京地方裁判所平成30年(わ)第1791号、第2433号、第2901号

被告人は、平成28年3月上旬頃及び同月10日、Cから判示第1の金銭の交付を受けるため、受注を水増しした資料を示して借入れを依頼したほか、Aの負債の返済先を製造業者と偽っており、同日に振り込まれた金銭は、Cに説明した製造代金という使途とは異なり、その大半がAの負債の返済に充てられ、残りも、製造代金には全く当てられなかったことから、被告人が、Cから受領した金銭を同人に約束した使途に充てるつもりはほとんどなかったことは明らかであるなどとして、被告人につき詐欺の確定的故意を認めた事例

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東京高等裁判所令和2年(う)第80号

本件は、被告人が、密輸の実行役を担当することで比較的高額の報酬が得られる仕事ということで依頼され、密輸に関わった事案であり、また、被告人は、密輸の対象物をダイヤモンドと聞かされていたのに、違法薬物の輸入ではないかどうかを確認しようとしたり、違法薬物ではないと説明を受けたと述べながら、ダイヤモンドの密輸に関する具体的な説明も受けず、ダイヤモンドの現物を実際に確認もしていないのであるから、これらの事情は、被告人が本件スーツケースの中に違法薬物が入っている可能性を認識し、その後もその認識が解消されていないことを推認させる事情といえ、その旨判示して、被告人の覚せい剤輸入の故意、共謀、営利目的を認定した原判決の事実認定には、論理則経験則等に照らして不合理なところはないとされた事例

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新潟地方裁判所長岡支部平成31年(わ)第41号、令和元年(わ)第86号

被告人には、A及びCと契約を締結した時点で、同人らの見合い相手となる特定の女性がおらず、また、被告人は、第三者からそのような女性を確実に紹介してもらえる当てもなかったのであるから、被告人には、結婚の希望を有する特定の女性を見合い相手として紹介できる具体的な当てはなかったというべきであるところ、このような事実自体、被告人に、結婚の希望を有する女性を紹介する意思がなく、詐欺の故意を有していたことを強く推認させるものであるなどとして、被告人に詐欺の故意を認めた事例

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東京地方裁判所立川支部平成31年(わ)第332号

被告人に対する違法薬物の使用の嫌疑は相当高度のものであったと認められることや、間もなく到着する組織犯罪対策課の警察官らが強制捜査の要否等について判断するために被告人の動向を把握しておく必要があったことからすれば、歩き去ろうとする被告人に対し、着衣の検査や任意採尿に応じるように説得するなどし、その際、警察官らが、被告人の進路に立ちふさがったり、肩を触るなどしたことについても、任意捜査としての職務質問を行うために停止させる方法として必要かつ相当な行為であったと認められるとされた事例

救急搬送の数日前に、出会い系サイトで知り合った人物に薬として飲まされたカプセルに覚せい剤が入っていた可能性があるとの被告人の主張に対し、出会い系サイトに熱があるので体温計を貸してほしいなどと書き込みをして来訪した初対面の人物が、覚せい剤をそれと秘して被告人に服用させたという弁解内容自体直ちに信じがたいものである上、仮に意に沿わない覚せい剤の使用であったり、身に覚えがなかったとすれば、前記救急搬送時に薬物検査で陽性反応が出た際に、その様に医療機関に伝えるはずであるが、被告人はかえって覚せい剤使用を自任しているとして、自らの意思に基づかず覚せい剤を体内に摂取した特段の事情を認めなかった事例

ワンルームの部屋において、隣に座った人物が覚せい剤を炙っているという状況があったとしても、被告人がその気化した覚せい剤を殊更に吸入したというのであれば格別、その状況だけで被告人の尿から覚せい剤が検出されるとはおよそ考えられないとして、特段の事情を認めなかった事例

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東京地方裁判所平成30年(わ)第3279号

被告人の自宅の捜索において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパンの付着したストロー片が発見されたところ、被告人方の捜索を行った警察官である証人Aの証言についてその信用性を疑うべき事情はなく、同証言によっても、本件ストロー片を発見された際の状況について立会人が確認したかは判然としないものの、その点を踏まえても、警察官が本件ストロー片の発見をねつ造したといったことを疑わせる事情はないとされた事例

被告人の供述における、被告人が飲酒した店舗の客に薬物使用者がいるとか、一緒に酒を飲んだ客が薬物使用者であるとする点は何ら裏付けがなく、他の客の飲み物に覚せい剤等の違法薬物を混入させる合理的理由も考え難く、また、被告人は、平成30年11月10日から12日にかけ、飲酒酩酊以外に体調変化はなかったというのであり、以上によれば、被告人が自らの意思で覚せい剤をその身体に摂取したとの推認を覆る特段の事情はうかがわれないとされた事例

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宇都宮地方裁判所栃木支部令和元年(わ)第243号

覚せい剤を密売人から入手して使用したが、気持ち悪くなって吐くだけであったので、偽物をつかまされたと思っていたなどとの被告人の公判供述を前提としても、被告人は、覚せい剤を、それとして入手し、覚せい剤の薬理効果を得るために使用していたものである上、その覚せい剤を使用した際の症状等は、被告人が過去に有罪判決を受けた覚せい剤の使用時の症状等と同じであったというのであるから、被告人が覚せい剤の認識を有していたことは明らかであるとして、被告人が覚せい剤の認識を有していたことを認めた事例

被告人は、当時の被告人方居室において、ジメチルスルホンと約21.893グラムの覚せい剤が混合した結晶約31.651グラムを所持していたが、その量は、覚せい剤の1回当たりの使用量を0.005グラムとすると約6330回分に相当することになり、個人で使用する量としては多すぎるというべきであって、被告人が所持していた本件覚せい剤の量自体だけをもってしても被告人の営利目的の存在を強く推認させるとされた事例

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東京地方裁判所令和元年(わ)第2803号

厳しく規制され、入手が容易ではない覚せい剤が誤って体内に入ることは通常は考えにくく、差し押さえられた被告人の尿から覚せい剤反応があった事実から、被告人が故意に覚せい剤を使用したと強く推認され、捜索により覚せい剤関連物品が発見されていないとはいえ、被告人自身に覚せい剤の入手ルートがあったことは、この推認を補強しているとして、被告人に覚せい剤使用の故意を認めた事例

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東京高等裁判所令和元年(う)第2020号

B鑑定等によれば、Aは、重度の知的能力障害を有しており、質問に対して、時に二語文を使うが多くは単語レベルの応答であり、反響言語と思われる部分もあるなど、発話能力が極めて低いことが認められ、そうすると、7分程度とはいえ、外見上は成人女性のAに話し掛けていた被告人は、Aの応答状況等から、Aに重度の知的能力障害があることを十分認識したと推認できるなどとして、被告人の準強制わいせつの故意を認めた事例

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東京地方裁判所平成30年(わ)第2448号、第2971号、平成31年(わ)第363号

受取人において方々のアパートにその住人ではない者を受け取りに行かせ、これを直ちに運搬役を介して別の者のところに運ぶということは、送り主は送付先住所の者に送付しているつもりであるのに、それとは異なる者が受け取り、送り主が想定している者とは別の者のところに持って行っていることを想起させる事情といえ、ひいては、送り主が偽りを告げられて錯誤に陥り、受取場所に荷物を送付したものであることを、未必的にせよ認識させる事情といえるとして、このような事情を認識している被告人は、判示の各宅配便荷物について、これらが詐欺により送付されたものである可能性を認識していたものと推認されるとされた事例

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千葉地方裁判所令和元年(う)第631号

本件仕事の依頼内容は、他人に、多額の報酬を支払うことを約束した上、わざわざ香港からマレーシアまで渡航させて物品を受け取らせ、これを税関職員等に発見されないように日本に持ち込ませるというものであって、それ自体、運ばせる側にとって価値のある物であり、かつ、隠しておかなければならない物を扱うという点で不審なものであり、運ぶ物品がダイヤモンドであると言われていたとしても、もしかしたら覚せい剤等の違法薬物であるかもしれないとの疑いを生じさせるのに十分なものであるところ、被告人自身も、Bから依頼された際に、「こんなにおいしい話があるのか、違法薬物ではないのか」と尋ねたのであり、運ぶ物の中身を不審に思い、違法薬物が入っているのではないかとの疑いをもったのであり、その後、依頼に従ってマレーシアに行き、指示されたとおりに行動し、見知らぬ男性2名から、本件スーツケースを受け取ったが、中には絵本3冊及び本1冊があるのみで、ダイヤモンドは見当たらず、この男性2名からも何の説明もなかったというのであって、その後日本に渡航するまでの間、前記のような疑いが消えるようなきっかけや事情があったとは認められないことからすると、被告人は、本件スーツケースに入っていた絵本3冊の中に、覚せい剤を含む違法薬物が隠匿されているかもしれないと認識していたと推認できるとして、覚せい剤営利目的輸入の故意を認めた事例

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東京高等裁判所令和元年(う)第1354号

未精算の小型の商品をエコバッグに入れてそのまま会計せずに店外に持ち出せば、盗みと疑われるのはいわば必然であることは、容易に想起できるところ、被告人は、窃盗罪による執行猶予期間中であるから、より一層、そのようなことに思い至らなかったとは考え難く、被告人の原審公判供述によっても、会計し終わった品物をショルダーバッグに入れるときに、本件シートに気付いたが、そこで出したら、周りから見えない状況に物を置いていたので、窃盗と思われても仕方がないなどとまで心配し、おつりを貰う時にも、ためらったというのであるから、判断ができないようなパニック状態に被告人があったとはみられないなどとして、被告人に窃盗の故意及び不法領得の意思があったことは明らかであるとした事例

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東京高等裁判所平成31年(う)第677号

打合せ期日に被告人が出頭する権利はないし、原裁判所が国選弁護人解任申出に対する職権発動をしなかったことに裁量権の逸脱があったとも認められず、また、原審弁護人の誠実義務違反の事実も認められないとして、原判決に審理不尽を含む訴訟手続の法令違反は認められないとされた事例

被告人の原審公判供述を前提にしても、Aの指示に基づく狂言強盗が完全に失敗しただけでなく、狂言強盗の相手方でない者に傷害を負わせてしまったという予期せぬ事態に至った被告人としては、犯行を続ける意味は全くなかったのであり、被害者の足を刺したことを認識していたことからしても、この時点では逃げることが十分に可能だったはずであるのに、被告人は、逃げるどころか、被害者の両手両足を縛り、被害者から現金の保管場所を聞き出すや、厨房からカウンターに移動して手提げ金庫内の現金を取っているのであり、このような行為は、狂言強盗の合意があると信じていた者が実はそうでなかったことを突然知った際に取る行動とは相容れず、むしろ、被害店舗の現金をはじめから奪うつもりであった者の行動と整合するとして、強盗の故意が認められるとされた事例

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武蔵野簡易裁判所平成31年(ろ)第6号

本件シート2個を右手に取って、本件シートの大きさを店員に聞きに行くために、右手に本件シート2個を持ったまま6階の奥に向かったところ、向かった途中にクーラーボックスが置いてあって気になったので、このクーラーボックスを手に持って持ち上げてみようどしたが、右手に持っていた本件シート2個が邪魔だったので、持っていたエコバック内に本件シート2個を入れたとの被告人供述について、クーラーボックスが陳列されていた場所付近には、被告人が持っていた本件シート2個を一時的に置くことのできるスペースがあって、エコバックに入れる必要がないので、被告人の供述は不自然・不合理であるなどとして、被告人供述の信用性を否定した事例

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東京地方裁判所平成29年(わ)第285号

被告人は、被害者にナイフを突きつけ、同人から抵抗されると、ナイフを持った手を突き出したり、その右大腿部をナイフで突き刺すなどし、さらにその両手、両足を縛り上げ、厨房から一直線にカウンターに移動して金庫内に現金を見つけると、これを奪って逃走しているという一連の行為には、狂言強盗の合意があると信じていた者の動揺は見て取れず、売上金の着服を隠すために狂言強盗をするなら、合意をした店員を被害者役として実行しなければならないが、被告人によれば、Dからはその名前も特徴も聞かされておらず、しかも、Dから本件の実行を2回目に指示されたときに勤務していた店員は、1回目に実行を指示されたときの店員とは別人であったのだから、誰を相手に狂言強盗をすればよいのか、本当に狂言強盗の合意をしたのかにつき、強い疑念を抱くのが普通うであり、そもそも狂言強盗の指示にしては、不自然、不合理であるなどによれば、狂言強盗をするつもりであった旨の被告人の供述は信用できず、被告人には、遅くとも被害者にナイフを突きつけた時点において、強盗の故意があったものと認められた事例

被告人が、向かい合っていた被害者の上半身を目掛けてナイフを突き出して左上腕部切創を生じさせたとは認定できず、ナイフを持った手を被害者に押さえられている状態で振った際、あるいは、防御のためにナイフを持った手を突き出した際に上記切創を生じさせたとの合理的疑いが残り、被告人が、被害者を死亡させるおそれが高いと認識しながら左上腕部への攻撃を行ったとは認められず、また、被害者の右大腿部を突き刺した行為は、客観的に被害者を死亡させるおそれの高い行為であるとは認められないとして、被害者に左上腕部切創等の傷害を負わせて行為及び両手、両足を結束バンドで縛り上げた行為のいずれについても、被告人に殺意があったと認めることはできないとされた事例

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千葉地方裁判所平成30年(わ)第740号

Aの証言は、Aの携帯電話機に被告人Y2の使用する携帯電話の番号が登録され、被告人Y2の使用する携帯電話機にもAの番号が登録されていること、実際に被告人Y2の携帯電話機とAの携帯電話機との間に多数の通話履歴が残されていることと符合する上、覚せい剤を被告人Y2から購入した旨述べるBの証言とも合致し、その内容をみても、被告人Y2から覚せい剤を注文するに至った経緯や注文の際のやり取りについて、「覚せい剤」等の直接的な表現は避け、「ワンジー」「ゼロゴー」などと言って注文していたことや注射器を2本手に入れるために1gの覚せい剤を0.5gずつ2袋に分けてもらうよう依頼したことなどのエピソードを交えながら具体的に証言するものであって、不自然、不合理な点はないことなどから、Aの証言は信用できるとされた事例

Bの証言は、Bの携帯電話機に被告人Y2の使用する携帯電話の番号が登録され、被告人Y2の使用する携帯電話機にもBの番号が登録されていること、被告人Y2に覚せい剤を電話で注文した点については、これと符合する通話履歴が存在すること、丸めてシールで留められた状態で小分けされたチャック付きビニール袋入り覚せい剤が被告人両名方から複数押収されていること、被告人両名方から押収された出納帳に「C 5000」との記載があること、被告人Y2の使用する携帯電話に「Dさんの言う通り確かに悪いかも!Eが取り替えてって言って来てるから」「交換するのも用意してあります」とのメールが送信されていることなど、客観的な証拠に裏付けられており、その内容をみても、覚せい剤を購入するに至った経緯、覚せい剤を注文した際の状況、友人と共に覚せい剤を受け取りに行ったり、覚せい剤を交換してもらったりした際の状況等について、被告人Y2とのやり取りの内容を交えた具体的なものであって、不自然、不合理な点はないことなどから、Bの証言は信用できるとされた事例

Fの証言のうち、被告人Y2が配達や小分けを手伝っていたという点については、客のA及びBの各証言のほか、実際に覚せい剤入りのチャック付きビニール袋等に被告人Y2の指紋が付着していたことなどとも整合しているなどとして、Fの証言は信用できるとされた事例

これらの信用できる各証言によれば、被告人Y2は、被告人両名方で同居していたFから被告人Y1が依頼された覚せい剤の配達に同行することがあり、同被告人がFから覚せい剤の密売を引き継いだ後は、客から覚せい剤の注文の電話を受けて配達したり、自宅で覚せい剤の小分け作業を手伝ったりなどして、被告人Y1と共に覚せい剤の密売に関与していたものと認められ、これらの事情からすると、被告人Y2は、紙袋の中に入った本件覚せい剤の存在を認識しており、その所持については被告人Y1との間で共謀があったものと強く推認されると認められた事例

覚せい剤は、その所持や使用が厳しく禁じられている禁制薬物であって、日常生活の中でその意思に基づかずに体内に摂取される事態は通常考えられないから、被告人Y2の尿から覚せい剤成分が検出された場合には、特段の事情がない限り、同被告人がその意思に基づいて覚せい剤を体内に摂取したものと推認できることに加えて、被告人Y2の右腕前腕部及び右腕肘関節内側部分の血管上に複数の注射痕が存在すること、被告人Y2が被告人Y1と共に覚せい剤の密売に関与していたこと、Fが被告人両名方に同居していたときに、被告人Y2が台所のカウンター付近で、腕を紐で縛って覚せい剤を注射しているのを目撃していることが認められ、これらの事実は、いずれも上記推認を強めるものであるなどとして、被告人Y2は覚せい剤を自己の意思によりその身体に摂取したと認められた事例

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