Bは、布団の上に押し倒され毛布をかぶせられて押さえ付けられる直前に、被告人がズボンのチャックを開けて陰茎を見せ、息を荒げてBの呼び名を言うなどしたり、布団の上に押し倒し毛布をかぶせて押さえ付ける行為のときにも、被告人が性的な意味で興奮していたようにも理解される供述をしているが、このような供述内容は、犯行の経緯としてやや唐突なものであることは否定できず、反対尋問によってこのような疑問点のあるBの供述の信用性が確かめられているものでもなく、他方、被告人の供述は、その内容に特段の不合理な点はなく、財布を取りあってもみあいになるなどして押した経緯などはごく自然なものとして納得のいくものであるとして、Bの供述に依拠して事実を認めることは困難であるから、主位的訴因である強盗の成立を認めることはできないとして、予備的訴因である暴行、窃盗の成立を認めた事例
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大阪地方裁判所平成29年(わ)第4124号、平成30年(わ)第1251号、第2351号
被告人が友人宅に立ち入ろうとした際に警察官が被告人の前に立ちはだかったり肩に手をかけたりなどし、更に玄関の扉が開かないようにした行為について、既に被告人に対する令状請求に着手した段階とはいえ、未だ令状発付前の任意捜査の段階であり、タクシーによる広域移動が想定されるようなタクシー乗車に関する場合と異なり、居室あるいは居宅への立入りにより捜査官において被告人の所在把握に困難を生じる事態に至ることも通常は想定されず、さらに、当時の被告人の言動に照らし、被告人が居室内で自殺あるいは自傷他害に及ぶ危険性も想定されない状況であったことから、本件において、被告人が友人方居室に立ち入ろうとした際、警察官が被告人に覆いかぶさるようにした行為は、被告人の自由な行動を相当程度制圧しており、そのようにして被告人の居室内への立入りを制限した行為は違法なものであったといわざるを得ないとされた事例
他方で、その違法性の程度についてみると、上記のような体勢で被告人の自由な行動を制圧した時間は1分程度であり、本件では警察官が職務質問開始後約30分で被告人に対する強制捜査の段階に入っていること、職務質問開始後、被告人の移動、行動が相当事由にされていること等に照らせば、本件警察官らに令状主義に関する諸規定を先達する意図があったとは評価し難く、そうすると、被告人の自由な行動を一時的に相当程度制圧した前記警察官の行為の違法性は重大なものではなく、弁護人が証拠排除を求めている本件各証拠を証拠として供することが将来における違法捜査抑制の見地からみても相当でないとは認められないとされた事例