本件トラックの荷台の高さや、本件ブロワを置いていたとして被害者が指示した荷台の位置、本件ブロワの形状等に照らすと、本件ブロワを本件トラックの荷台に置いたまま、別の作業に取り掛かったという被害者の原審証言が不自然・不合理であるとはいえず、そして、被害者は、本件当日の午前11時50分から実施された実況見分の時点から、本件トラックの荷台に本件ブロワを置いていたとして、荷台上の具体的な位置を指示している上、この点について、被害者が殊更に虚偽の供述をしたり、勘違いをするような事情も見当たらないことに照らすと、被害者の原審証言の信用性にも疑問は生じないとされた事例
投稿者: kztanabe
東京高等裁判所令和2年(う)第435号
被告人は、本件以前からAに対する暴力行為やストーカー行為を継続して行い、平成30年9月には、Aに傷害を負わせた罪で執行猶予付きの有罪判決を受けたにもかかわらず、Aに対して引き続き脅迫したりストーカー行為を行ったりしていたと認められ、Aは、このような被告人に対し強い恐怖心を抱いており、被告人の言動に合わせるようなことをしなければならなかったなどと述べているところ、Aは、被告人を刺激しないように前記の振る舞いや捜査段階初期の供述をしたと解されるから、Aの供述の信用性を左右する事情とはならないとして、Aの供述の信用性を認めた事例
那覇簡易裁判所令和2年(ろ)第9号、第13号
同じディスカウントストアで数日間にわたり、いずれも高額な炊飯器を手に持ったまま退店して盗んだという事案について、被告人が約5か月前には万引きで罰金20万円に処せられたにもかかわらず、本件各犯行に至っており、これに強盗等で懲役刑を受けた経歴も併せ考慮すると、被告人の規範意識は低いといわざるを得ないなどとして、被告人を懲役2年の実刑に処した事例
東京地方裁判所平成30年(わ)第1791号、第2433号、第2901号
被告人は、平成28年3月上旬頃及び同月10日、Cから判示第1の金銭の交付を受けるため、受注を水増しした資料を示して借入れを依頼したほか、Aの負債の返済先を製造業者と偽っており、同日に振り込まれた金銭は、Cに説明した製造代金という使途とは異なり、その大半がAの負債の返済に充てられ、残りも、製造代金には全く当てられなかったことから、被告人が、Cから受領した金銭を同人に約束した使途に充てるつもりはほとんどなかったことは明らかであるなどとして、被告人につき詐欺の確定的故意を認めた事例
東京高等裁判所平成30年(う)第1913号
被害女性は、財物を奪われないように口頭で抵抗しようと試みたにもかかわらず、結局抵抗できずにキャッシュカード・クレジットカード等を被告人に奪われ、暗証番号も教えざるを得なかったのであり、この点からみても、反抗抑圧状態にあったことは明らかであるとされた事例
通報防止目的で携帯電話機を奪った場合でも、その携帯電話機を換金したり、利用したりする目的は排除されないし、被告人が、携帯電話機等に含まれる情報から被告人の犯行であることが発覚することを懸念したとしても、無関係の場所のごみ箱に捨てるなど廃棄は容易であり、むしろそのような懸念を持っていたのであれば、自宅に保管などせずに早急に廃棄するなどするのが自然であるところ、被告人は、経済的価値が低いと思われる携帯電話機のカバーや個人の特定に有用なSIMカードは保管していなかったのに、経済的に価値のある携帯電話機及びスイカカードは保管していたのであり、被告人に不法領得の意思があったと認定した原判決が不合理とはいえないとされた事例
東京高等裁判所令和2年(う)第80号
本件は、被告人が、密輸の実行役を担当することで比較的高額の報酬が得られる仕事ということで依頼され、密輸に関わった事案であり、また、被告人は、密輸の対象物をダイヤモンドと聞かされていたのに、違法薬物の輸入ではないかどうかを確認しようとしたり、違法薬物ではないと説明を受けたと述べながら、ダイヤモンドの密輸に関する具体的な説明も受けず、ダイヤモンドの現物を実際に確認もしていないのであるから、これらの事情は、被告人が本件スーツケースの中に違法薬物が入っている可能性を認識し、その後もその認識が解消されていないことを推認させる事情といえ、その旨判示して、被告人の覚せい剤輸入の故意、共謀、営利目的を認定した原判決の事実認定には、論理則経験則等に照らして不合理なところはないとされた事例
東京地方裁判所令和元年(わ)第1705号、第1988号、第2458号、第2759号、3449号、令和2年(わ)第223号
複数の者が共謀の上、被害者にだましの電話をかけて信用させ、巧妙な手口でキャッシュカードを窃取し、これを用いて現金自動預払機から現金を窃取したという窃盗の事案であり、被害金額は合計1200万円余りに上っている事案について、被告人を懲役3年6月に処した事例
大阪高等裁判所令和元年(う)第1201号
被告人は当初、身元確認はもとより職務質問自体に一切応じず、その後、運転免許証を提示し、窃盗や覚せい剤の前科を多数有することが判明し、所持品検査とともに任意採尿を求められたのに対し、一切を拒否していたところ、被告人のこのような対応により、警察官らが職務質問開始当初に抱いた窃盗や覚せい剤使用の嫌疑は、相当高まったことは明らかであり、所持品検査や任意採尿に応じるよう繰り返し働き掛けていた警察官らの行為が、説得の域を超えた過剰なものであったとは認められないとして、駐車場付近で警察官が取り囲み、腕をつかむなどした行為の適法性を認めた事例
警察官が移動手段として被告人をタクシーに乗せなかった行為について、この時点では、被告人の嫌疑は相当高まっており、令状請求の準備が開始されてから既に約2時間が経過しており、実際に、この約1時間後の午前4時30分頃には裁判所に令状請求がなされているところ、このような状況からみて、被告人の所在を確保する必要性も高かったといえ、警察官がタクシーの運転手に対し、被告人の動きに応じて、乗車させずに発進させて立ち去るよう、あるいは、乗車させたまま発進させずに待つよう告げて、職務質問への協力を要請する行為は、職務質問中であるとの状況説明もなしに、端的に協力を要請する内容を大声で告げて指示するという、丁寧とはいい難い態様ではあるものの、被告人を乗車させるか、タクシーを発車させるかという最終的な判断はなお運転手に委ねられており、被告人を現場に留めて説得を続けるために必要な行為として許容される範囲内のものと解されるとして、上記行為の適法性を認めた事例
被告人が友人であるE方居室に立ち入ろうとした際に、追従していた警察官らが、玄関前に立ちはだかり、背中で玄関扉が開かないような体勢を取りつつ、通路の壁面に立った被告人に相対し、被告人に覆い被さるような姿勢でその両肩付近の柱を両手でつかんで被告人を制止するなどして、E方への立入りを阻止した行為は、被告人の自由な行動を相当程度制圧しており、任意捜査の範囲を超えた違法なものであるとした事例
しかし、他面において、被告人に対する嫌疑は相当強くなっており、本件阻止行為があった当時は、既に令状請求の準備も整え終えて、警察署から裁判所に向けて出発している段階に至っており、その執行に備えて、所在確保はもとより、罪証隠滅の防止を図る必要性も相当高かったといえ、罪証隠滅防止の観点からは、被告人が入ろうとしていた住居の居住者との関係性に照らすと、未だ所持品検査に応じていなかった被告人が、警察官の目の届かない居室内で罪証隠滅に及ぶ危険性は格段に高まることが想定される状況にあったから、被告人が居室内に入るのを制止して職務質問を続ける必要性はかなり高かったと認められ、加えて、本件阻止行為は、被告人の行動の自由を相当程度制圧するものではあるが、時間的には約1分程度という短時間にとどまっていて、長々と押し問答をしていたと評価できるものではなく、時間的には説得したら諦めて入るのをやめたといえる程度のものであったなどとして、本件阻止行為に、警察官らの令状主義先達の意図が、具体的に疑われるとはいえないとされた事例
職務質問開始から捜索差押令状の執行まで約5時間以上という相当長時間に及んでおり、警察官が終始追従して監視を続けており、被告人に対する不利益は小さくないなどとして、一連の行為全体が違法であると認められた事例
しかし、警察官が被告人に追従して監視していた行為全体をみても、時間的には長時間に及んでいるが、必要性が認められ、相当性についても、一部違法と判断せざるを得ない部分はあるものの、違法としてその過程から得られた証拠を排除しなければならないような重大な違法、すなわち、令状主義の精神を没却するほどの違法があったとまで評価することはできないとされた事例
新潟地方裁判所長岡支部平成31年(わ)第41号、令和元年(わ)第86号
被告人には、A及びCと契約を締結した時点で、同人らの見合い相手となる特定の女性がおらず、また、被告人は、第三者からそのような女性を確実に紹介してもらえる当てもなかったのであるから、被告人には、結婚の希望を有する特定の女性を見合い相手として紹介できる具体的な当てはなかったというべきであるところ、このような事実自体、被告人に、結婚の希望を有する女性を紹介する意思がなく、詐欺の故意を有していたことを強く推認させるものであるなどとして、被告人に詐欺の故意を認めた事例
水戸地方裁判所令和元年(わ)第507号
高速道路では通常歩行者や障害物等は存在しないことから、高速道路を走行する運転手は、渋滞による前方停止車両の存在を予測することはあっても、横転車両の存在等を意識して運転しているものではなく、そのような物がないと考えて高速度で走行するのが普通である。そういう中で、被告人は、高速道路上で、第1車両通行帯をほぼふさぐ形で被告人車両を横転させた。しかも、その当時の現場の状況は暗く、視認状況は良くなかったと認められる。以上の事情を前提とし、さらに、被害者Aが制限内の速度で被害者A車両を走行させている上、第2事故を起こしたのは第1事故のわずか11分後であることも考慮すると、被害者Aが、前方に横転している被告人車両に気付くのが遅れ、被害者A車両を被告人車両に衝突させ、そのことに起因して付近を走行してきた被害者B車両に落下物を衝突させるなどということは、決して異常なことではなく、十分あり得ることであったといえる。その意味で、被告人の過失行為は、被害者2名の死傷結果につながる被害者Aの過失行為を引き起こす危険性を内包するものであり、それが被害者2名の死傷結果に現実化したというべきであるとして、被害者Aの過失行為は、因果関係を否定するほど異常な介在事情とはいえず、被告人の過失行為と被害者2名の死傷結果との間には因果関係があると認められた事例
東京地方裁判所立川支部平成31年(わ)第332号
被告人に対する違法薬物の使用の嫌疑は相当高度のものであったと認められることや、間もなく到着する組織犯罪対策課の警察官らが強制捜査の要否等について判断するために被告人の動向を把握しておく必要があったことからすれば、歩き去ろうとする被告人に対し、着衣の検査や任意採尿に応じるように説得するなどし、その際、警察官らが、被告人の進路に立ちふさがったり、肩を触るなどしたことについても、任意捜査としての職務質問を行うために停止させる方法として必要かつ相当な行為であったと認められるとされた事例
救急搬送の数日前に、出会い系サイトで知り合った人物に薬として飲まされたカプセルに覚せい剤が入っていた可能性があるとの被告人の主張に対し、出会い系サイトに熱があるので体温計を貸してほしいなどと書き込みをして来訪した初対面の人物が、覚せい剤をそれと秘して被告人に服用させたという弁解内容自体直ちに信じがたいものである上、仮に意に沿わない覚せい剤の使用であったり、身に覚えがなかったとすれば、前記救急搬送時に薬物検査で陽性反応が出た際に、その様に医療機関に伝えるはずであるが、被告人はかえって覚せい剤使用を自任しているとして、自らの意思に基づかず覚せい剤を体内に摂取した特段の事情を認めなかった事例
ワンルームの部屋において、隣に座った人物が覚せい剤を炙っているという状況があったとしても、被告人がその気化した覚せい剤を殊更に吸入したというのであれば格別、その状況だけで被告人の尿から覚せい剤が検出されるとはおよそ考えられないとして、特段の事情を認めなかった事例
東京地方裁判所平成30年(わ)第3279号
被告人の自宅の捜索において、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパンの付着したストロー片が発見されたところ、被告人方の捜索を行った警察官である証人Aの証言についてその信用性を疑うべき事情はなく、同証言によっても、本件ストロー片を発見された際の状況について立会人が確認したかは判然としないものの、その点を踏まえても、警察官が本件ストロー片の発見をねつ造したといったことを疑わせる事情はないとされた事例
被告人の供述における、被告人が飲酒した店舗の客に薬物使用者がいるとか、一緒に酒を飲んだ客が薬物使用者であるとする点は何ら裏付けがなく、他の客の飲み物に覚せい剤等の違法薬物を混入させる合理的理由も考え難く、また、被告人は、平成30年11月10日から12日にかけ、飲酒酩酊以外に体調変化はなかったというのであり、以上によれば、被告人が自らの意思で覚せい剤をその身体に摂取したとの推認を覆る特段の事情はうかがわれないとされた事例
横浜地方裁判所令和元年(わ)第1445号、第1944号
勤務先会社所有の自動車を窃取した事案及びその後に勤務した飲食店において、売上金を窃取した事案について、被告人を懲役1年6月の実刑に処した事例
宇都宮地方裁判所栃木支部令和元年(わ)第243号
覚せい剤を密売人から入手して使用したが、気持ち悪くなって吐くだけであったので、偽物をつかまされたと思っていたなどとの被告人の公判供述を前提としても、被告人は、覚せい剤を、それとして入手し、覚せい剤の薬理効果を得るために使用していたものである上、その覚せい剤を使用した際の症状等は、被告人が過去に有罪判決を受けた覚せい剤の使用時の症状等と同じであったというのであるから、被告人が覚せい剤の認識を有していたことは明らかであるとして、被告人が覚せい剤の認識を有していたことを認めた事例
被告人は、当時の被告人方居室において、ジメチルスルホンと約21.893グラムの覚せい剤が混合した結晶約31.651グラムを所持していたが、その量は、覚せい剤の1回当たりの使用量を0.005グラムとすると約6330回分に相当することになり、個人で使用する量としては多すぎるというべきであって、被告人が所持していた本件覚せい剤の量自体だけをもってしても被告人の営利目的の存在を強く推認させるとされた事例
東京地方裁判所令和元年(わ)第2803号
厳しく規制され、入手が容易ではない覚せい剤が誤って体内に入ることは通常は考えにくく、差し押さえられた被告人の尿から覚せい剤反応があった事実から、被告人が故意に覚せい剤を使用したと強く推認され、捜索により覚せい剤関連物品が発見されていないとはいえ、被告人自身に覚せい剤の入手ルートがあったことは、この推認を補強しているとして、被告人に覚せい剤使用の故意を認めた事例
東京簡易裁判所平成31年(ろ)第367号
被告人の出品した指定席券等を見てみると、購入して間を置かずに出品しているものが頻繁にあり、これは購入した指定席券等が不要となったから出品したというにはあまりに不自然であり、被告人が常習的に転売行為を繰り返していたものと見るのが自然であるなどとして、被告人に転売目的があったと認めた事例
東京地方裁判所立川支部令和元年(わ)第1294号
犯人隠避を教唆した被告人の犯行は、緊急かつ必要性の高い事情等がある場合に身元引受人に委託するなどして勾留の執行を一時的に停止するという勾留執行停止制度を悪用し、適正な刑事司法作用を著しく侵害した悪質な犯行として、強い非難に値するなどとして、被告人を懲役1年2月に処した事例
東京高等裁判所令和元年(う)第2020号
B鑑定等によれば、Aは、重度の知的能力障害を有しており、質問に対して、時に二語文を使うが多くは単語レベルの応答であり、反響言語と思われる部分もあるなど、発話能力が極めて低いことが認められ、そうすると、7分程度とはいえ、外見上は成人女性のAに話し掛けていた被告人は、Aの応答状況等から、Aに重度の知的能力障害があることを十分認識したと推認できるなどとして、被告人の準強制わいせつの故意を認めた事例
東京高等裁判所令和元年(う)第1961号
原判決は、犯罪組織における位置づけとしては重要な意思決定を行う上位者ではなく、切り捨て可能な末端の受け子にすぎないという被告人の役割を踏まえた上で、高額の収入を得ようと自らインターネットを検索して組織に接触し、犯罪であることを認識しながら犯行に加担し、現金獲得という究極の目的実現のために不可欠かつ重要な役割を繰り返していることから犯意が強固であるなどとしたものであって、何ら不合理ではないとして、被告人を懲役5年(求刑懲役6年)に処した原判決の量刑は相当であるとされた事例
原判決後、実姉が被告人の社会復帰後の監督を申し出ていることが認められるが、一般情状であるから、量刑上考慮するにも限度があり、原判決の量刑を変更すべきものとは認められないとされた事例
新潟地方裁判所発田支部令和元年(わ)第60号
Aは、被告人が近付いてきたり車に乗り込んできたりすることが嫌であり、被告人に対して恐怖心を抱いていた、関わってほしくないと思っていたのにメッセージを受信して怖いと感じた旨供述するが、Aが被告人に対し関わってほしくない旨メッセージを送信していること、警察官に対し被告人と関わりたくない旨相談し、警察官は被告人に対してストーカー行為者として指導をしていることが認められ、これらは、Aが被告人に対して恐怖心を抱き、関わってほしくないと思っていたとのA供述と整合するなどとして、A供述の信用性を認めた事例
Aの被告人に対する感情についての供述の変遷について、Aは変遷の理由について被告人に対する恐怖心を挙げているところ、被告人が前にAに対して傷害を加えたことがあったことを踏まえると、その説明は合理性があるとして、A供述の信用性を認めた事例
東京地方裁判所立川支部平成30年(わ)第1183号、第1268号、第1481号、第1598号、平成31年(わ)第80号、第317号、第520号、令和元年(わ)第730号
A供述は、被告人らから勧誘を受けるに至るまでの経緯や、勧誘の際のやり取り、各犯行を重ねる過程での被告人らへの報告状況や被告人らとの接触状況など、一連の事実経過を詳しく説明できており、内容面で明らかに不自然、不合理というべき部分は見当たらず、他の証拠との整合性という観点からみても、関係する客観的証拠が存在し、被告人らもそのとおり認めている複数の事実関係とも整合するところ、被告人らがこれらの機会にわたりAが本件特殊詐欺等の受け子等の犯行をするのを容易にしたり、受け子等の犯行を継続できるような環境を整えたりする行動をとっていたという事実関係は、本件特殊詐欺等の犯行への関与を否定する被告人らの供述と比べると、被告人らがAを本件特殊詐欺等に勧誘したとするA供述の方が、より自然に理解し得るものといえることに加え、Aには被告人らの関与の有無について虚偽供述をする動機や背景事情などは見当たらず、第三者と被告人らをすり替えて供述している疑いも生じないことからすれば、A供述は十分に信用できると評価された事例
保護中: 横浜地方裁判所川崎支部令和元年(わ)第341号
保護中: 東京地方裁判所令和元年(わ)第1320号、第2491号
保護中: 東京地方裁判所令和元年(わ)第3187号
保護中: 広島地方裁判所平成30年(わ)第553号、第723号、平成31年(わ)第103号、第149号、第158号、令和元年(わ)第392号
保護中: 東京地方裁判所立川支部平成30年(わ)第1538号
東京地方裁判所平成30年(わ)第2448号、第2971号、平成31年(わ)第363号
受取人において方々のアパートにその住人ではない者を受け取りに行かせ、これを直ちに運搬役を介して別の者のところに運ぶということは、送り主は送付先住所の者に送付しているつもりであるのに、それとは異なる者が受け取り、送り主が想定している者とは別の者のところに持って行っていることを想起させる事情といえ、ひいては、送り主が偽りを告げられて錯誤に陥り、受取場所に荷物を送付したものであることを、未必的にせよ認識させる事情といえるとして、このような事情を認識している被告人は、判示の各宅配便荷物について、これらが詐欺により送付されたものである可能性を認識していたものと推認されるとされた事例
さいたま地方裁判所令和元年(わ)第454号
被告人は、被害のあった当日、被害現場から直線距離で2720メートルの比較的近接したリサイクルショップにおいて、本件ブロワを売却しており、その時間的場所的近接性や本件ブロワの性状等に照らすと、本件ブロワが第三者を介して流通した可能性はかなり低く、いまだ窃盗犯人の手中にあった蓋然性が高いと考えるのが経験則に合致するから、上記事実は、被告人が本件犯行の犯人であることを相当強く推認させるとされた事例
被告人は、被害のあった時刻頃、被害現場から約200メートル以内の近接した場所にいたこと、すなわち、被告人には本件犯行の機会があったことが認められ、かかる事実は前記の推認をより強めるものといえるとされた事例
東京地方裁判所平成31年(わ)第751号、第1040号、令和元年(わ)第1309号
Gの供述は、被告人がGに対し、Bらにスーツ等を持たせるように言ったこと、A及びBを被告人に引き合わせたこと、AがBらに対し、被告人が動いているからまずい旨のメッセージを送信したこと、被告人が他人名義の保険証を用意してBらに渡したこと等と整合しており、また、Gは、B及びCが詐欺又は窃盗を行うために東京に向かった経緯や、その後にAがBらの代わりに東京に行った経緯、それぞれの過程における被告人の関与について具体的に説明しており、全体として自然活合理的な内容というのが相当であり、さらに、Gは、被告人とかねて友人関係にあったところ、Gがあえて虚偽の事実を述べて被告人を陥れる理由は見当たらないとして、Gの供述は全体として信用できるとされた事例
Aの供述は、グループチャットのメッセージ内容と符合するほか、Gの供述内容とおおむね一致し、互いに信用性を高め合っており、また、Bが、Aに郡山駅前に呼び出された際、Gとともに現れた仲間の男が、自分も若いころはそういうことをやっていた等と言っていた旨供述する内容とも符合しているとして、Aの供述もおおむね信用できるとされた事例
横浜地方裁判所平成30年(わ)第1668号、1811号、第1967号
判示の日・場所において、被告人が被害者Cの陰茎を手指で直接触ったとする点については、Cの供述の内容と被告人の自白供述の内容が一致し、また、同日・同場所において、被告人がCの肛門内に手指を挿入したとする点については、Cの供述の内容と被告人の捜査段階の供述の内容が一致しており、Cが虚偽供述をする理由が見当たらず、誤解をしているとも考えにくいこと、被告人の捜査段階の供述が具体的かつ詳細なものであり、特段不自然、不合理な点が認められず、これに沿う被告人の犯行再現が行われていることからすると、被告人がCの陰茎を手指で直接触ったとする点に係るCの供述及び被告人の自白供述、被告人がCの肛門内に手指を挿入したとする点に係るCの供述及び被告人の捜査段階の供述は、いずれも高く信用できるとされた事例
保護中: 東京地方裁判所令和元年(む)第84544号 被告人の保釈を許可した原裁判に裁量逸脱の違法はないとされた事例
大阪地方裁判所平成31年(わ)第504号、第1119号、令和元年(わ)第1874号
Bは、布団の上に押し倒され毛布をかぶせられて押さえ付けられる直前に、被告人がズボンのチャックを開けて陰茎を見せ、息を荒げてBの呼び名を言うなどしたり、布団の上に押し倒し毛布をかぶせて押さえ付ける行為のときにも、被告人が性的な意味で興奮していたようにも理解される供述をしているが、このような供述内容は、犯行の経緯としてやや唐突なものであることは否定できず、反対尋問によってこのような疑問点のあるBの供述の信用性が確かめられているものでもなく、他方、被告人の供述は、その内容に特段の不合理な点はなく、財布を取りあってもみあいになるなどして押した経緯などはごく自然なものとして納得のいくものであるとして、Bの供述に依拠して事実を認めることは困難であるから、主位的訴因である強盗の成立を認めることはできないとして、予備的訴因である暴行、窃盗の成立を認めた事例
千葉地方裁判所令和元年(う)第631号
本件仕事の依頼内容は、他人に、多額の報酬を支払うことを約束した上、わざわざ香港からマレーシアまで渡航させて物品を受け取らせ、これを税関職員等に発見されないように日本に持ち込ませるというものであって、それ自体、運ばせる側にとって価値のある物であり、かつ、隠しておかなければならない物を扱うという点で不審なものであり、運ぶ物品がダイヤモンドであると言われていたとしても、もしかしたら覚せい剤等の違法薬物であるかもしれないとの疑いを生じさせるのに十分なものであるところ、被告人自身も、Bから依頼された際に、「こんなにおいしい話があるのか、違法薬物ではないのか」と尋ねたのであり、運ぶ物の中身を不審に思い、違法薬物が入っているのではないかとの疑いをもったのであり、その後、依頼に従ってマレーシアに行き、指示されたとおりに行動し、見知らぬ男性2名から、本件スーツケースを受け取ったが、中には絵本3冊及び本1冊があるのみで、ダイヤモンドは見当たらず、この男性2名からも何の説明もなかったというのであって、その後日本に渡航するまでの間、前記のような疑いが消えるようなきっかけや事情があったとは認められないことからすると、被告人は、本件スーツケースに入っていた絵本3冊の中に、覚せい剤を含む違法薬物が隠匿されているかもしれないと認識していたと推認できるとして、覚せい剤営利目的輸入の故意を認めた事例
東京高等裁判所令和元年(う)第1006号
被告人Y1は、平成29年12月までは、掛け子の中で責任ある立場を担いながら、詐欺の掛け子の役割を果たし、共犯者らと共謀して本件詐欺等を繰り返していたのであるから、そのような被告人が平成30年1月以降は実行行為を行っていなかったとしても、自らの名義で借りていた拠点を継続して提供し、同じような詐欺等が行われている同所への出入りを続ける中で、摘発の際は賃借名義人として捜査機関に対応するつもりであったなどというのであるから、平成30年1月以降の事実についても共謀が認められ、共同正犯が成立するのは明らかといえるとされた事例
詐欺罪が既遂となるためには、被告人や共犯者名義の口座に振り込まれるまでの必要はなく、被告人らが現金の支配を現実的に獲得すれば足りると解すべきであるとされた事例
本件は、虚偽の宝くじ等の当選話を言葉巧みに被害者らに信じ込ませ、何度も現金をだまし取るという犯行であるので、振込行為ごとに詐欺罪が成立すると考えるのは相当ではなく、被害者ごとに包括して詐欺罪が成立するとすべきであるとされた事例
詐欺罪と組織犯罪処罰法における犯罪収益取得事実仮装の罪は保護法益が異なる上、両者の行為の重なり合いの程度等からすると、これらを社会的に見て1個の行為と評価するのは相当とはいえず、両罪は併合罪の関係にあると解するのが相当であるとされた事例
東京高等裁判所令和元年(う)第1276号
日常生活において、166枚もの千円札と33枚の五千円札を同時に持ち合わせることが通常考え難く、犯人が被害店舗から千円札177枚と五千円札37枚を奪い、その約1時間後から翌日午前中にかけて、被告人が166枚の千円札と33枚の五千円札を自己名義の銀行口座等に入金したという事実は、それ自体、これらの紙幣の同一性、ひいては被告人の犯人性を相当程度推認させる事情といえるとされた事例
棒金は、一般的な日常生活において通常必要とされるものではないことなどからすると、本件の被害金品と同種の棒金1本を被告人が所持していたという事実は、被告人が犯人であることを推認させる一つの事情にはなり得るといえるとされた事例
東京高等裁判所令和元年(う)第1354号
未精算の小型の商品をエコバッグに入れてそのまま会計せずに店外に持ち出せば、盗みと疑われるのはいわば必然であることは、容易に想起できるところ、被告人は、窃盗罪による執行猶予期間中であるから、より一層、そのようなことに思い至らなかったとは考え難く、被告人の原審公判供述によっても、会計し終わった品物をショルダーバッグに入れるときに、本件シートに気付いたが、そこで出したら、周りから見えない状況に物を置いていたので、窃盗と思われても仕方がないなどとまで心配し、おつりを貰う時にも、ためらったというのであるから、判断ができないようなパニック状態に被告人があったとはみられないなどとして、被告人に窃盗の故意及び不法領得の意思があったことは明らかであるとした事例
千葉地方裁判所平成30年(わ)第1188号
被害者は、3歳5か月程度の精神年齢で最重度との境界に近い重度の知的能力障害を有するところ、裸で抱き合ったりキスしたりする行為等への興味を持ち、それが日常とは切り離された特別な行為であって、恥ずかしさを伴い、第三者の前で公然と行うものではないことは漠然と理解しているものの、性差や性別の役割などに関する認知は、自己認識も含め全体的に未分化未成熟であり、性的な行為の概念的理解は到底得られておらず、性的な行為に関する被害者の理解が不十分であることに加え、自己の被害内容の仔細を述べることができていないことをも総合すると、被害者は、本件当時、性的行為の持つ社会的意味合いを理解できず、性的な行為の是非等を自ら判断し、意思決定を行うことができない状態にあったといえるから、被害者は、刑法178条1項にいう心神喪失の状態にあったと認められるとされた事例
東京高等裁判所平成31年(う)第677号
打合せ期日に被告人が出頭する権利はないし、原裁判所が国選弁護人解任申出に対する職権発動をしなかったことに裁量権の逸脱があったとも認められず、また、原審弁護人の誠実義務違反の事実も認められないとして、原判決に審理不尽を含む訴訟手続の法令違反は認められないとされた事例
被告人の原審公判供述を前提にしても、Aの指示に基づく狂言強盗が完全に失敗しただけでなく、狂言強盗の相手方でない者に傷害を負わせてしまったという予期せぬ事態に至った被告人としては、犯行を続ける意味は全くなかったのであり、被害者の足を刺したことを認識していたことからしても、この時点では逃げることが十分に可能だったはずであるのに、被告人は、逃げるどころか、被害者の両手両足を縛り、被害者から現金の保管場所を聞き出すや、厨房からカウンターに移動して手提げ金庫内の現金を取っているのであり、このような行為は、狂言強盗の合意があると信じていた者が実はそうでなかったことを突然知った際に取る行動とは相容れず、むしろ、被害店舗の現金をはじめから奪うつもりであった者の行動と整合するとして、強盗の故意が認められるとされた事例
甲府地方裁判所平成30年(わ)第281号、第310号、第384号、第481号、平成31年(わ)第83号、140号、令和元年(わ)第248号、第302号
高齢者からキャッシュカードを盗み取り、これに係る金融機関口座から現金を引き出す「受け子」、「出し子」の役を繰り返し、窃取したキャッシュカードは合計23枚、引き出し窃取した現金は合計1855万円を超え、そのほかに約320万円の現金も詐取している被告人に対し、懲役5年を言い渡した事例
大阪地方裁判所平成29年(わ)第4124号、平成30年(わ)第1251号、第2351号
被告人が友人宅に立ち入ろうとした際に警察官が被告人の前に立ちはだかったり肩に手をかけたりなどし、更に玄関の扉が開かないようにした行為について、既に被告人に対する令状請求に着手した段階とはいえ、未だ令状発付前の任意捜査の段階であり、タクシーによる広域移動が想定されるようなタクシー乗車に関する場合と異なり、居室あるいは居宅への立入りにより捜査官において被告人の所在把握に困難を生じる事態に至ることも通常は想定されず、さらに、当時の被告人の言動に照らし、被告人が居室内で自殺あるいは自傷他害に及ぶ危険性も想定されない状況であったことから、本件において、被告人が友人方居室に立ち入ろうとした際、警察官が被告人に覆いかぶさるようにした行為は、被告人の自由な行動を相当程度制圧しており、そのようにして被告人の居室内への立入りを制限した行為は違法なものであったといわざるを得ないとされた事例
他方で、その違法性の程度についてみると、上記のような体勢で被告人の自由な行動を制圧した時間は1分程度であり、本件では警察官が職務質問開始後約30分で被告人に対する強制捜査の段階に入っていること、職務質問開始後、被告人の移動、行動が相当事由にされていること等に照らせば、本件警察官らに令状主義に関する諸規定を先達する意図があったとは評価し難く、そうすると、被告人の自由な行動を一時的に相当程度制圧した前記警察官の行為の違法性は重大なものではなく、弁護人が証拠排除を求めている本件各証拠を証拠として供することが将来における違法捜査抑制の見地からみても相当でないとは認められないとされた事例
東京高等裁判所令和元年(う)第1088号
本件各犯行に使用された携帯電話と被告人方から押収された携帯電話の発信地域は、具体的な所番地はもとより市区町村単位まで特定できたものではなく、都道府県レベルの比較的広域で符合するというに過ぎないものであって、他県への移動に伴う発信地域の符合も頻回に及ぶものではないことに照らすと、各携帯電話の発信地域の符合が、被告人がオペレーター役であったことを推認させる程度は原判決が説示するほど強いものとみるのは困難であるとされた事例
他方、Dの原審証言は、一定の裏付けがあるものであって、信用できることからすると、Dによる被告人の面割り供述が被告人の犯人性を推認させる程度は、原判決がいうような犯人性と矛盾しないという程度にとどまるものではないとみるべきであるとされた事例
仙台高等裁判所平成31年(う)第69号
室内に侵入し歩き回ったからといって、足跡が遺るのは、室外で靴に付着した泥や靴自体の性状などの条件によるものと考えられ、常に足跡が遺って、採取されるとは限らないとされた事例
ホテルの防犯カメラ映像で被害者がビニールテープで縛られているように見えるのは、被害者がホテルに行くまでの車内で自分を縛ったからである、との主張に対して、その部分だけ切り取ってみれば、被告人の供述は、防犯カメラの映像を説明するかのような内容であるが、そもそもホテルを利用しようとする男女の姿として不自然であるし、被告人の供述によれば、被害者は、車と客室との移動の際にだけあえて自分を拘束状態にしたこととなるがこれは極めて不自然であるとし、被告人の供述の信用性を否定した事例
東京高等裁判所令和元年(う)第980号
Bが、視認した距離を当初の約30メートルから約92メートルと訂正しているとしても、また、日没の約14分前の時刻であったとしても、Bの視認条件は、さほど劣悪とはいえず、そもそも、Bは、当時、覚せい剤取締法違反の嫌疑を持って捜査のために被告人とAの動きを注意深く観察していたのであるから、観察が困難な状況であれば、移動などすることも想定できたのに、そのようにもしていないので、被告人がAに対し封筒様の物を手渡すのをBが視認できたとしても、不自然ではないとされた事例
被告人がAに対し、約0.438グラムの覚せい剤を無償で譲り渡したというのは、不自然さが否めず、Aの供述のうちこの部分は直ちには信用し難いところであるが、Aが、捜査段階では、被告人から本件覚せい剤を代金1万5000円で買ったと供述していたこと、かつてAが所属していた組織において、被告人の方が上位にあったことなどに鑑みると、Aは、原審公判において、被告人をかばうために上記のような不自然な内容を含む供述をしたと理解することが可能であるとされた事例
武蔵野簡易裁判所平成31年(ろ)第6号
本件シート2個を右手に取って、本件シートの大きさを店員に聞きに行くために、右手に本件シート2個を持ったまま6階の奥に向かったところ、向かった途中にクーラーボックスが置いてあって気になったので、このクーラーボックスを手に持って持ち上げてみようどしたが、右手に持っていた本件シート2個が邪魔だったので、持っていたエコバック内に本件シート2個を入れたとの被告人供述について、クーラーボックスが陳列されていた場所付近には、被告人が持っていた本件シート2個を一時的に置くことのできるスペースがあって、エコバックに入れる必要がないので、被告人の供述は不自然・不合理であるなどとして、被告人供述の信用性を否定した事例
さいたま地方裁判所平成30年(わ)第121号
犯人が本件犯行に使用したビニール紐は被告人が所持していたPP玉巻紐から切り取ったものであることが認められるところ、事件当日から上記PP玉巻紐の押収時までの約2か月余りの間に被告人が上記PP玉巻紐を第三者から譲り受けるなどしたことをうかがわせる事情は何ら存在せず、犯行から約2か月後に被告人が本件とは無関係に、犯行現場に遺留されたビニール紐と断端が一致するビニール紐を所持していることは通常考え難く、かかる事実は被告人が本件の犯人であることを強く推認させるものとされた事例
本件の犯人は、五千円札37枚、千円札177枚を含む現金を奪ったと認められ、被告人は、本件と近接する時期に、これと金種及び枚数が近似する大量の五千円札及び千円札を所持していたことになるところ、日常生活において、このような大量の五千円札や千円札を同時に持ち合わせることは通常考え難いことも併せ考えると、被告人が、本件とは無関係に、これらの五千円札及び千円札を所持していたとは考え難く、被告人がこれらの紙幣を所持していたことは、被告人が本件の犯人であることを推認させるものといえるとされた事例
さいたま地方裁判所平成29年(わ)第894号,第940号,第1030号,第1109号,第1110号
被告人Y1方と認められる居室内から本件各覚醒剤取引に用いられていた物品が発見されたこと、被告人Y1が使用していた自動車内から本件各取引に用いられていた物品が発見されたこと、被告人Y1が、本件各取引の行われた日時・場所と矛盾しない時間帯に、埼玉県羽生市内の被告人Y1方から、各取引において使用された車両と同一または類似の車両を使用して出かけた上、戻ってきていること、本件譲受人らが、写真面割りの際、運搬役として被告人Y1の写真を選択していることを併せ考えると、本件各取引における運搬役は被告人Y1であると認められるとされた事例
被告人Y2が使用していた携帯電話の発信区域の動きと密売人が使用していた携帯電話の発信区域の動きが高度に符合していること、被告人Y1が、被告人Y2が使用していたと認められる携帯電話の料金のチャージを行っていること、被告人Y2が被告人Y1と共に本件bBと推察される自動車のタイヤの交換を行っていること、B事件及びC事件のあった時間帯に、被告人Y2が使用していた携帯電話と被告人Y1が使用していた携帯電話との間において通話がなされていること、オペレーター役の密売人と数回面識のあるCが、前記密売人は被告人Y2であるとしていることから、被告人Y2がA事件、B事件及びC事件におけるオペレーター役であることについて合理的な疑いを入れる余地はないとされた事例
千葉地方裁判所平成30年(わ)第292号,609号,864号,1137号,1624号
被告人Y1は、平成30年1月以降、詐欺の電話を掛けるなどのことはしておらず、掛け子の固定給を受け取っていなかったとしても、本件詐欺グループに所属し、詐欺の犯行を遂行するのに必要かつ重要な役割を果たしていたことは明らかであって、本件詐欺グループへの関与の形態が変わった面はあったにせよ、詐欺等の共同正犯から離脱し幇助犯が成立するにとどまるというほどにまでその関与の程度が弱まったものとは評価できないとされた事例
東京地方裁判所平成30年(わ)第2384号,2515号
AとBの供述は、相互に合致している上、Aが受け取ったと供述する封筒の内容物は、鑑定の結果、判示のとおりの覚せい剤約0.438グラムであることが判明しており、また、判示の日時場所において、被告人がAに白い封筒様の物を手渡したことは、Bらが、被告人の監視のために設置したビデオカメラの映像によって、裏付けられていることから、被告人がAに覚せい剤を譲り渡した旨のAとBの供述の信用性は高いと考えられるとされた事例
科捜研所属の薬物研究員Cは、被告人が任意採尿に応じて提出した尿を警察庁所定の手順や方法に従って鑑定した結果、覚せい剤の検出が確認された旨供述しており、このCの供述に疑うべき点は見当たらず、Cの鑑定について、尿の同一性についても、覚せい剤の検出の判断についても、問題はうかがわれないとされた事例
仙台地方裁判所平成30年(わ)第248号
被害者の証言は、特に両手が緊縛されている状況等が、本件ホテル車庫内に設置された防犯カメラの映像の内容とよく一致しており、また、被害者が裸足のまま行動している状況、本件ホテルの車庫と部屋の間の階段を上り下りする際の被害者の足取りや被告人に誘導される状況、降車及び乗車の状況等は、このような状態で車内からホテルの部屋、ホテルの部屋から車内に移動すること自体、ホテルを利用する男女の姿としては極めて不自然であることからすると、同映像に映し出された被害者の各行動がその意思に反して行われた旨の被害者の供述をよく裏付けているとして、被害者の証言は信用できるとされた事例
被告人の供述も、防犯カメラの映像と整合するかのような内容となっているが、前記の各状況等の不自然さに加え、被告人の供述によれば、被害者は、被告人車両とホテルの部屋との移動の際にだけ、あえて自身を同映像にあるような拘束状態にしたということになるなど、その内容自体、不自然、不合理というほかなく、およそ信用することができないとされた事例
東京地方裁判所平成29年(わ)第285号
被告人は、被害者にナイフを突きつけ、同人から抵抗されると、ナイフを持った手を突き出したり、その右大腿部をナイフで突き刺すなどし、さらにその両手、両足を縛り上げ、厨房から一直線にカウンターに移動して金庫内に現金を見つけると、これを奪って逃走しているという一連の行為には、狂言強盗の合意があると信じていた者の動揺は見て取れず、売上金の着服を隠すために狂言強盗をするなら、合意をした店員を被害者役として実行しなければならないが、被告人によれば、Dからはその名前も特徴も聞かされておらず、しかも、Dから本件の実行を2回目に指示されたときに勤務していた店員は、1回目に実行を指示されたときの店員とは別人であったのだから、誰を相手に狂言強盗をすればよいのか、本当に狂言強盗の合意をしたのかにつき、強い疑念を抱くのが普通うであり、そもそも狂言強盗の指示にしては、不自然、不合理であるなどによれば、狂言強盗をするつもりであった旨の被告人の供述は信用できず、被告人には、遅くとも被害者にナイフを突きつけた時点において、強盗の故意があったものと認められた事例
被告人が、向かい合っていた被害者の上半身を目掛けてナイフを突き出して左上腕部切創を生じさせたとは認定できず、ナイフを持った手を被害者に押さえられている状態で振った際、あるいは、防御のためにナイフを持った手を突き出した際に上記切創を生じさせたとの合理的疑いが残り、被告人が、被害者を死亡させるおそれが高いと認識しながら左上腕部への攻撃を行ったとは認められず、また、被害者の右大腿部を突き刺した行為は、客観的に被害者を死亡させるおそれの高い行為であるとは認められないとして、被害者に左上腕部切創等の傷害を負わせて行為及び両手、両足を結束バンドで縛り上げた行為のいずれについても、被告人に殺意があったと認めることはできないとされた事例