東京高等裁判所令和元年(う)第980号

Bが、視認した距離を当初の約30メートルから約92メートルと訂正しているとしても、また、日没の約14分前の時刻であったとしても、Bの視認条件は、さほど劣悪とはいえず、そもそも、Bは、当時、覚せい剤取締法違反の嫌疑を持って捜査のために被告人とAの動きを注意深く観察していたのであるから、観察が困難な状況であれば、移動などすることも想定できたのに、そのようにもしていないので、被告人がAに対し封筒様の物を手渡すのをBが視認できたとしても、不自然ではないとされた事例

被告人がAに対し、約0.438グラムの覚せい剤を無償で譲り渡したというのは、不自然さが否めず、Aの供述のうちこの部分は直ちには信用し難いところであるが、Aが、捜査段階では、被告人から本件覚せい剤を代金1万5000円で買ったと供述していたこと、かつてAが所属していた組織において、被告人の方が上位にあったことなどに鑑みると、Aは、原審公判において、被告人をかばうために上記のような不自然な内容を含む供述をしたと理解することが可能であるとされた事例

判決全文

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